健康食品機能性表示の届出支援・広告サポート|林田学

認知度も高まりだんだん社会に普及しつつある機能性表示制度ですが、
その受理・差戻しは書かれざるルール=運用で決められる部分が多く受理を確実にするには情報が不可欠です。
私どもは、日本最大級の届出関与実績から得られる差戻し例と独自の行政ネットワークから得られる情報を元に、
みな様が間違った方向に進んで時間と費用を無駄にすることがないようにしたいと考えています。

こんにちは。

YDCのミッシーです。


歩行改善の問題で撤回が行われたHMBですが、
最近では、届出表示の装いを少し変えた、
新たな受理事例が増えてきました。


そこで今回は、新たに受理されたHMBと歩行の関係に
ついて、SRごとに比較しながらまとめてみたいと
思います。


まずは、HMB事例のご紹介。


E71 皇潤 歩

「本品には、HMBカルシウムが含まれます。
  HMBカルシウムには、自立した日常生活に必要な
  筋肉量と筋力を維持し低下を抑えること、健常者の
  歩く力を助けることが報告されています。」


届出者はエバーライフさん。


HMBとして基本のクレームである筋肉の維持に加えて、
歩行にも言及したタイプの事例です。


歩行クレームの点で見たとき、現在のHMBには3つの
タイプがあります。

(1)歩行機能なし(+腹部の脂肪)

(2)「立つ・歩くための筋力」(筋力の中に織り込む)

(3)「歩く力を助ける」


機能性関与成分の名称としては、いずれも
「HMBカルシウム」又は「カルシウム ビス-3-ヒドロキシ
-3-メチルブチレートモノハイドレート」としており、
括弧の有無などの違いはあるものの、概ね統一されています。


(1)歩行機能なし(+腹部の脂肪)

      従来の届出表示から、歩行機能に関するものを
      取り除いたものです。
      それ以外の点では、撤回以前と大きな違いは
      ありません。
      含有量を3gとして、腹部の脂肪入れたタイプも
      あります。


(2)「立つ・歩くための筋力」(筋力の中に織り込む)

      HMBの原料メーカーである小林香料さん作成のSRの
      パターンです。

      採用文献は6報。

      この中のBerton2015には、副次アウトカムとして
      歩行機能が設定されているはずですが、それを
      SRの評価としては取り上げていません
     (歩行機能の改善を謳った従来型は、このアウトカム
      を根拠としていました)。

      このタイプのSRでは、筋力の指標の一つである
      膝等尺性収縮筋力を取り上げ、「膝等尺性収縮筋力は、
      運動能力との関係性が報告されており、
      「立つ、歩くための筋力」と解釈できる。」とする
      ことで、筋力の中に歩行クレームを織り込んでいます。


(3)「歩く力を助ける」

      今回ご紹介したE71のSRです。

      採用文献は4報。

     (1)や(2)で採用されているNissen1996、
      Gallagher2000については、未成年者が含まれている
      として除外。

      それ以外の4報については、上記二パターンと同一です。

      SRのアウトカムとして、(2)では採用されなかった
     「歩行機能」を採用。Berton2015の指標である6MWT
     (6分間の歩行距離試験)の結果から、歩行機能が
      改善したとしています。

      ここまでのロジックは、撤回となったHMB歩行機能改善の
      事例群とほぼ同一です。

      一方でE71では、別紙様式(5)-16において、
      次のような説明を入れます。

      「歩行機能」は、消費者にとって理解しがたい
      表現であり、当該採用文献で行った試験(6MWT)は
      歩く能力(歩く力)を評価する試験であるため、
      表示しようとする機能性としては、平易な表現で
      「歩く力」とした。

     「改善」は医薬品を標榜する表現と受け取られる
      可能性があるため、本品は補助的な役割であることを
      踏まえ「助ける」という表現とした。



E71の事例からは、歩行のクレームについてどう表すか、
まさに「表現」が重要ということが見えてきますね。


ではまたメールしますね。

1.水面下情報(その1)

(1)繰り返し書いていますように、

      機能性表示の表現>>群間有意差必要
      作用機序の表現>>群間有意差不要
      が現在の運用です。

      従って、いまいちのエビデンスは作用機序として
      使うことを考えればよいということになります。


(2)そういう事例ではないかと思える事例が先週
      出てきました。

      E60がそれです。

      届出者:味の素株式会社

      商品名:「アミノエールゼリータイプ ロイシン40」 

      届出表示:本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※
      が含まれます。
      ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、足の曲げ伸ばし
      などの筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、
      加齢によって衰える筋肉の合成をサポートすることにより、
      歩行機能の向上に役立つことが報告されています。

      撤回したB513(アミノエールゼリー ロイシン40)
      のReplacement商品です(この点は水面下情報(その2)
      をご覧ください)。


(3)従来型で採用していたBukhari2015を本件では
      採用せず、代わりにIspoglou2016を採用。

      その結果「筋肉をつくる」の位置づけが異なります。

      つまり、従来型では、「筋肉をつくる力をサポート
      する機能」と機能性に位置付けていましたが、
      本件では「筋肉の合成をサポートすることにより」
      と作用機序に位置付けています。
      
      Bukhariを捨てた理由は定かではありませんが
   女性のみを対象としている点を指摘され
   差戻されたのかもしれません。



2.水面下情報(その2)

(1)「歩行能力の改善」の表示に関して厚労省から
      薬事法違反との指摘が入り、C400以外はすべて
      撤回しました。

     (YDC 機能性表示データブック1-4-5-1 >>> 
      https://www.yakujihou.com/kinou-lp/kinoudb-top/
       こちらは会員様のみご覧いただけます)

      但し、C400の届出表示は

     「本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※が
       含まれます。ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、
       脚の曲げ伸ばしなどの筋肉に負荷がかかる
       軽い運動との併用で、60代以上の方の加齢によって
       衰える筋肉をつくる力をサポートすることにより、
       歩行機能の改善に役立つことが報告されています。」
       
      で、「歩行機能の改善」と表示していました。


(2)E60の表示は「歩行機能の向上に役立つ」。
      
      採用文献もC400と同じ。

      E60はC400を残したことの正当性を補強した感が
      あります。
     


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YDCでは機能性表示のポータルサイトを用意して
いますので是非ご覧下さい。

但、重要な情報はYDCの会員(シルバー以上)に
ならないと見れません。

会員に対するお問い合わせは >>>

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3.注目すべき受理事例

   E33

   *SR論文のようでそうでない不思議なSR

   A.商品名:ベータプラス

   B.届出者:富士産業株式会社 

   C.関与成分:ベータコングリシニン

   D.届出表示:本品にはベータコングリシニンが
   含まれます。ベータコングリシニンは血中中性脂肪を
     低下させるとともに、高めのBMIを低下させる機能が
     報告されています。本品は、中性脂肪や高めのBMIが
     気になる方に適しています。

   E.コメント:
   ・関与成分量は2.3g/日。SRは不二精油。初出の成分。

   ・文献は1報で、過去6報の文献を再解析してまとめたもの
    (廣塚2018)〔(1)Kambaraら2004(RCT複数), 
    (2)Bataら2004, (3)Oharaら2006, (4)Kohnoら
     2006(RCT複数), (5)Horiら2009, (6)Kohnoら
     2012(RCT複数)〕。

  ・廣塚2018のタイトルは「大豆β-コングリシニンの
    機能性表示食品としての可能性検証」で、6論文を
    検証している。

    一見SR風だが、追加解析を行って機能性表示の届出に
    使えるようにする点に目的があったと思われる。

  ・それゆえ、これ自体をSR論文と位置づけるのではなく、
    これを論文と捉え、そこからさらにSRを作成している。


■血中中性脂肪:文献3件((1), (3), (4)-1)

(1);N87中、病者(200mg/dL以上)を含んでいたため
        病者を除外し、やや高め(150-199mg/dL)の
        層別解析を実施(高用量・低用量併せて3群でN33)。

        正常域(149mg/dL以下、N21)の解析は元の論文の通り。

(3);N129中、病者(200mg/dL以上)を含んでいたため
        病者を除外し、やや高め(150-199mg/dL、N20)と
        正常域(149mg/dL、N15)の層別解析を実施。

(4)-1;元の論文の対象は150mg/dL以上だった(N138)。
          病者を除外し、やや高め(150-199mg/gL、N49)
          で層別解析。

・やや高め(150-199mg/gL)を解析対象とした(1)
  (高用量・低用量),(3), (4)-1で群間有意差あり。

・(5)の試験は150-400mg/dLを対象としており(N21)、
   やや高め(150-199mg/gL、3群でN13)で層別解析を
   実施するも群間有意差なく、結果の表も記載なし。


■BMIおよび体脂肪:

文献3件((1), (4)-2, (6))

(1);N87中、病者(BMI 30以上)を含んでいたため
        病者を除外し、25-30未満の軽症者(N34)と
        23-25未満の正常高値者(N16)で層別解析を実施。

(4)-2;腹囲85cm以上(男)または90cm以上(女)で
          BMI 25-30未満を対象としていた(N102)が、
          内臓脂肪面積100平方cm以上を含んでいたため、
          内臓脂肪100平方cm以上を除外し層別解析を実施(N49)。
          4.6mg摂取。

(6);腹囲90cm以上でBMI 25以上の男性N30中に、内臓脂肪
        面積100平方cm以上が多かったため、除外して
        層別解析を実施(N7)。

・(1)のBMI(2.3g)で群間有意差あり。

  (4)-2, (6)の内臓脂肪面積, 皮下脂肪面積, 
   全脂肪面積は群間有意差なし((4)-2の4.6gで
   内臓脂肪面積の群間有意差あり)。

・(2)(5g摂取)はCTによる解析がないとして再解析せず。


■サンプルサイズ:

・廣塚2018は、中性脂肪に関して150-199mg/dLで層別解析を
  行うと、2.3g摂取群5名、1.15g摂取群4名、コントロール群
  4名となり、Nが小さくて群間有意差が出ない。
  そこでG*Powerを用いて補正する。
  つまり、「試験食品とコントロール群の変化量と
  標準偏差をもとに、αエラーを0.05、検出力(1-β)を
  0.8と設定し算出した結果、N36名/群となり(検出力0.806)、
  一般的な食品で執り行われるヒト試験の規模により
  群間比較での有意差が認められる十分効果が期待できる
  ものと考えられる」。

・要は、N36, 検出力0.806という条件で行われていれば
  p=0.05だったので有効性ありと考えてよい、としている
 (体脂肪についても(6)につき同様のロジックで説明
  している)。



いかがでしたか?


ご意見・ご質問は、info@yakujihou.com (大澤)まで
お寄せ下さい。



またメールしますね。

こんにちは。

YDCのミッシーです。


届出番号E番台が開始されたのは、5月30日のことでした。


それから半月ほどで、あっという間に受理件数が50件を
超えてしまいました。


非常にハイペースで、今年度は何件の受理事例が
現れるのでしょうか。



さて、

今回の機能性表示最新情報は、そんなハイペースの
受理の中から2つの事例をご紹介します。


E58 ダイエタリーF(エフ)乳酸菌5000億個 

「本品には乳酸菌エンテロコッカス・フェカリス菌
 (EC-BabyM)と難消化性デキストリン(食物繊維)が
  含まれ、腸内環境と便通を改善します。」


届出者はエム・フーズさん。


RCTによる届出で、試験機関はYDCのリエゾンである
JACTAが実施、YDC直接サポート事例です。


機能性関与成分の一つ「乳酸菌エンテロコッカス・
フェカリス菌(EC-BabyM)」は、初出の成分で、
EC-BabyMはエム・フーズさんが保有する乳酸菌の菌株です。


本件の特徴は、「乳酸菌エンテロコッカス・フェカリス菌
(EC-BabyM)」が死菌であるということです。


死菌にまつわる問題については、これまでにも林田先生が
セミナーで紹介されていました。


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ご興味ある方は、下記URLよりWEB視聴をお申し込みください。
WEBセミナー (4月5日開催分)

「機能性表示最新情報!
  - 水面下の最新情報をお伝えします -」

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死菌を機能性関与成分として届出する上で基本となるのは、
次のような考え方になると思われます。


(1)菌の代謝物等が製造工程で取り除かれていること。


(2)エビデンスも(1)の仕組みに基づいて作られて
     いること。


E58は本品を用いたRCTですから、(2)は自動的に
クリアになります。


(1)については、作用機序において、製造工程の資料
(非公開)を交えながら、代謝物の排除を説明することで、
受理にたどり着きました。


次に、

E60 アミノエールゼリータイプ ロイシン40

「本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※が含まれます。
  ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、足の曲げ伸ばし
  などの筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、
  加齢によって衰える筋肉の合成をサポートすることにより、
  歩行機能の向上に役立つことが報告されています。
  ※ロイシン40%配合必須アミノ酸には、ロイシン、
  リジン(塩酸塩として)、バリン、イソロイシン、スレオニン、
  フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン(塩酸塩として)、
  トリプトファンが含まれます。」


届出者は味の素さん。


昨年末に発生した「歩行機能の改善」問題の時に
取り下げられたB513のニューバージョンというところ
でしょうか。


SRについては、作り直しているようですが、採用文献は
同じ2報です。


パッケージのデザインなどもぱっと見では、ほとんど
同じですね。


以前、味の素さんでは機能性関与成分を
「ロイシン40%配合必須アミノ酸」としていました。


しかし、E60からはロイシン40%配合必須アミノ酸の内訳を
記載するという、C400のファンケルさんと同じ形式に
変更したようですね。


成分名をはっきりさせるように、指摘があったのかも
しれません。


さて、

この件で一番注目したいのは、「歩行機能の向上に役立つ」
という表現です。


実はつい先日、E16でも同じ表現があり、問題となった
「歩行機能の改善」と近い表現なのによく受理された
ものだと、林田先生もメルマガ(機能性表示特別情報)で
仰られていました。


二度偶然で通ることはないでしょうから、ここまでは
消費者庁の許容できる表現ということになるのでしょう。


今度はそれが変わらないことを願うばかりです。


ではまたメールしますね。

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