こんにちは、林田学(Mike Hayashida)です。

食品の新たな機能性表示に関する検討会
~最終案解説と新制度下で成功する戦略~

について解説します。 


【Part1.機能性表示の3つのハードル】
 
●はじめに

来年度より始まる機能性表示制度がいよいよ固まってきました。
 
5月中の検討会段階では、
表現可能な機能性の範囲は
「部位の表現はトクホで認めている歯や骨や腹に限る」
という話がでていましたが、
これは法的ロジックの正当性が極めて不明確なものでした。

「トクホで認めている」というのは運用レベルの話であり、
法的ロジックとはなりえないからです。

つまり、トクホに関する
平成13年の保健機能食品制度の創設についての通知で、トクホは
「食生活において特定の保険の目的で摂取をする者に対し、
その摂取により当該保険の目的が期待できる旨の表示をする食品」
と定義されていますが、
その定義からすれば「歯や骨や腹に限る」というロジックは成立しません。
 
部位の限定は法律論ではなく、運用上の問題で、
議論の法的正当性が不明確です。
さらに「その根拠は薬事法だ」という議論も成り立ちません。

なぜなら、46通知において、
トクホゾーンは薬事法の例外とされており、
トクホゾーンの中で「部位が限定される」という法律や通知はないからです。


そして、検討会での議論を経て、
7月18日の検討会後に機能性の範囲に大きな変化が見られました。 



●Ⅰ. 言える機能性の範囲

7・18検討会での大きな変化は以下です。

WS000003



部位だけでなく「トクホ」のワードやニュアンスが消えたことが重要です。
 
これまで言われていたトクホゾーンや部位の限定も関係なくなり、
言える範囲はぐっと広まったと言えます。
 
つまり、これまでグレーだった
病気ゾーンと改造ゾーン以外の範囲での表現が
OKとなったのです。


WS000001


 
●Ⅱ. 成分エビデンス

有効成分は「機能性関与成分」と呼ぶことになりました。
この特定や定量が必要なことはこれまでの議論どおりです。


1. 機能性関与成分の特定・定量・規格

「特定」とは原則として定量可能な成分と考えられます。
定量が可能であれば同一性の判断や再現性の実施も容易だからです。

定量が可能かどうかは、
日本食品分析センターのような準公的機関において、
定量が可能であれば問題がないですが

それ以外の場合は、
定量方法のオーソライズに関して
ケースバイケースの判断が必要となりますので、
詳しくはこちらよりメールにてお問合せ下さい。


WS000000



2. 特定や定量ができないときはどうすればよいか?

ex.「あるハーブで便秘訴求したいが有効成分の特定ができない」
 
そういった際には、以下を参考にして下さい。

WS000001


>>リンク:健食・機能性表示のための成分ガイド


 

WS000004



3. 作用機序 

1)トーンダウン
成分エビデンスの内、作用機序については、
5・30検討会において
「保健機能成分の作用機序ないし作用動態の実証(in vitro&invivoまたは臨床試験)」が
必要とされていましたが、

6・26検討会では
「保健機能成分の作用機序の考察(invitro&invivoまたは臨床試験)」で
足りるということになり、

更に7・18には届け出への添付書類すら不要となりました。

これにより、機能性関与成分の作用機序については、
それを、in vitro&invivoまたは臨床試験に基づき考察した文献で
説明できるようにしておけばよいということになりました。

WS000001


WS000002



WS000006 - コピー




●Ⅲ. 機能性エビデンス

機能性エビデンスについては、

●商品についてうたう場合には臨床試験

●成分についてうたう場合にはSR(システマティックレビュー=文献調査)

がエビデンスとして必要とされました。


もし、報告書において、臨床試験による実証とだけ書かれていたら、
成分の機能性を臨床試験で証明するというチョイスもあり得たのですが、

ここではあえてそういう書き方をせず、
「最終商品を用いた・・・」とありますので、

成分についての臨床試験というエビデンスのチョイスはないことがわかります。

WS000002



1. 臨床試験

WS000000

重要なのは、
臨床試験とSRで事前登録の書き方が違うことです。

▼臨床試験についてはこう書かれています。

「有効性試験については、研究計画について
「UMIN臨床試験登録システム」等に事前登録
(被験者1例目が登録される前の登録を必須とする。)
が行われていること、また、結果については、
その内容を誰もが適切に評価できるよう、
国際的にコンセンサスの得られた指針(CONSORT声明等)に
準拠した形式で査読付き論文により
報告されたものに限ることとする。」
 
つまり、臨床試験においては事前登録はMUSTです。



2. SR

一方、臨床試験だと高額な費用がかかる反面、
おそらく100~200万円で済むのがSRです。
 
そこで、予算節約のため成分について機能性をうたうことにして、
エビデンスはSRで行こうと考える企業は少なくないでしょう。
 
ただ、もちろんあらゆる成分でSRが使えるわけではありません。
SRが使えないのはどのような場合なのでしょうか?


 1)SRのイメージ

WS000001



 2)SRで行けない場合

   ①査読付きの臨床研究論文が1本もなかった場合
   ②表示しようとする機能について、
     査読付きの臨床研究論文がこれを支持しない場合

        >>YDC「健食・機能性表示のための成分ガイド」は
       使える成分をリストアップしています!
       詳細はこちら

 

逆に言えば、
査読付き臨床研究論文があり、
それを支持しない論文がない限りは、
誰でもSRを使うことができます。

そして、それがSRを使用する上での最大の問題点であり弱点です。 


3. SRか臨床試験か

SRの結果は、
機能性表示の届け出に添付すると共にHPに掲載し、
常に「マーケット」のチェックに晒されることになっています。
 
すなわち、SRには避けられない下記のようなリスクが顕在化しています。


 1)SRの問題点 

  
1)そもそも行けない場合がある
  2)タダ乗り(フリーライド)の問題
  3)訴求効果を否定するRCTが登場したらそれまで

WS000002


 2)SRの戦略(フリーライド)
 
  
(1)
待ったほうが有利→
SRは後出しジャンケンの戦いになります 
   
        (※今後、何か対策が講じられるかもしれない)

WS000003


WS000004



  
(2)
待てない場合はどうしたらよいでしょうか?

       
⇒YDC細谷までお問い合わせ下さい  hosoya@usjri.com 



 3)臨床試験のPro/Con分析

  それでは臨床試験を行うメリットとデメリットを考えてみましょう。 

  
(1)
Con(-) 
    ①コストが高い
    ②査読クリアーの難易度が高い

  
(2)
Pro(+) 
    ①オリジナリティがある(コピー不能)
    ②日本初がうたえる
    →UMIN登録が義務付けられるので
      査読雑誌掲載日本初を証明できる
  
 WS000003



▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽

⇒続きはこちら

食品の新たな機能性表示に関する検討会
~最終案解説と新制度下で成功する戦略2~

△▲△▲△▲△▲△▲△▲