健康食品機能性表示の届出支援・広告サポート|林田学

認知度も高まりだんだん社会に普及しつつある機能性表示制度ですが、
その受理・差戻しは書かれざるルール=運用で決められる部分が多く受理を確実にするには情報が不可欠です。
私どもは、日本最大級の届出関与実績から得られる差戻し例と独自の行政ネットワークから得られる情報を元に、
みな様が間違った方向に進んで時間と費用を無駄にすることがないようにしたいと考えています。

カテゴリ:機能性表示とは > 8.機能性表示最新情報

1.水面下情報(その1)

(1)繰り返し書いていますように、

      機能性表示の表現>>群間有意差必要
      作用機序の表現>>群間有意差不要
      が現在の運用です。

      従って、いまいちのエビデンスは作用機序として
      使うことを考えればよいということになります。


(2)そういう事例ではないかと思える事例が先週
      出てきました。

      E60がそれです。

      届出者:味の素株式会社

      商品名:「アミノエールゼリータイプ ロイシン40」 

      届出表示:本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※
      が含まれます。
      ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、足の曲げ伸ばし
      などの筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、
      加齢によって衰える筋肉の合成をサポートすることにより、
      歩行機能の向上に役立つことが報告されています。

      撤回したB513(アミノエールゼリー ロイシン40)
      のReplacement商品です(この点は水面下情報(その2)
      をご覧ください)。


(3)従来型で採用していたBukhari2015を本件では
      採用せず、代わりにIspoglou2016を採用。

      その結果「筋肉をつくる」の位置づけが異なります。

      つまり、従来型では、「筋肉をつくる力をサポート
      する機能」と機能性に位置付けていましたが、
      本件では「筋肉の合成をサポートすることにより」
      と作用機序に位置付けています。
      
      Bukhariを捨てた理由は定かではありませんが
   女性のみを対象としている点を指摘され
   差戻されたのかもしれません。



2.水面下情報(その2)

(1)「歩行能力の改善」の表示に関して厚労省から
      薬事法違反との指摘が入り、C400以外はすべて
      撤回しました。

     (YDC 機能性表示データブック1-4-5-1 >>> 
      https://www.yakujihou.com/kinou-lp/kinoudb-top/
       こちらは会員様のみご覧いただけます)

      但し、C400の届出表示は

     「本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※が
       含まれます。ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、
       脚の曲げ伸ばしなどの筋肉に負荷がかかる
       軽い運動との併用で、60代以上の方の加齢によって
       衰える筋肉をつくる力をサポートすることにより、
       歩行機能の改善に役立つことが報告されています。」
       
      で、「歩行機能の改善」と表示していました。


(2)E60の表示は「歩行機能の向上に役立つ」。
      
      採用文献もC400と同じ。

      E60はC400を残したことの正当性を補強した感が
      あります。
     


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YDCでは機能性表示のポータルサイトを用意して
いますので是非ご覧下さい。

但、重要な情報はYDCの会員(シルバー以上)に
ならないと見れません。

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3.注目すべき受理事例

   E33

   *SR論文のようでそうでない不思議なSR

   A.商品名:ベータプラス

   B.届出者:富士産業株式会社 

   C.関与成分:ベータコングリシニン

   D.届出表示:本品にはベータコングリシニンが
   含まれます。ベータコングリシニンは血中中性脂肪を
     低下させるとともに、高めのBMIを低下させる機能が
     報告されています。本品は、中性脂肪や高めのBMIが
     気になる方に適しています。

   E.コメント:
   ・関与成分量は2.3g/日。SRは不二精油。初出の成分。

   ・文献は1報で、過去6報の文献を再解析してまとめたもの
    (廣塚2018)〔(1)Kambaraら2004(RCT複数), 
    (2)Bataら2004, (3)Oharaら2006, (4)Kohnoら
     2006(RCT複数), (5)Horiら2009, (6)Kohnoら
     2012(RCT複数)〕。

  ・廣塚2018のタイトルは「大豆β-コングリシニンの
    機能性表示食品としての可能性検証」で、6論文を
    検証している。

    一見SR風だが、追加解析を行って機能性表示の届出に
    使えるようにする点に目的があったと思われる。

  ・それゆえ、これ自体をSR論文と位置づけるのではなく、
    これを論文と捉え、そこからさらにSRを作成している。


■血中中性脂肪:文献3件((1), (3), (4)-1)

(1);N87中、病者(200mg/dL以上)を含んでいたため
        病者を除外し、やや高め(150-199mg/dL)の
        層別解析を実施(高用量・低用量併せて3群でN33)。

        正常域(149mg/dL以下、N21)の解析は元の論文の通り。

(3);N129中、病者(200mg/dL以上)を含んでいたため
        病者を除外し、やや高め(150-199mg/dL、N20)と
        正常域(149mg/dL、N15)の層別解析を実施。

(4)-1;元の論文の対象は150mg/dL以上だった(N138)。
          病者を除外し、やや高め(150-199mg/gL、N49)
          で層別解析。

・やや高め(150-199mg/gL)を解析対象とした(1)
  (高用量・低用量),(3), (4)-1で群間有意差あり。

・(5)の試験は150-400mg/dLを対象としており(N21)、
   やや高め(150-199mg/gL、3群でN13)で層別解析を
   実施するも群間有意差なく、結果の表も記載なし。


■BMIおよび体脂肪:

文献3件((1), (4)-2, (6))

(1);N87中、病者(BMI 30以上)を含んでいたため
        病者を除外し、25-30未満の軽症者(N34)と
        23-25未満の正常高値者(N16)で層別解析を実施。

(4)-2;腹囲85cm以上(男)または90cm以上(女)で
          BMI 25-30未満を対象としていた(N102)が、
          内臓脂肪面積100平方cm以上を含んでいたため、
          内臓脂肪100平方cm以上を除外し層別解析を実施(N49)。
          4.6mg摂取。

(6);腹囲90cm以上でBMI 25以上の男性N30中に、内臓脂肪
        面積100平方cm以上が多かったため、除外して
        層別解析を実施(N7)。

・(1)のBMI(2.3g)で群間有意差あり。

  (4)-2, (6)の内臓脂肪面積, 皮下脂肪面積, 
   全脂肪面積は群間有意差なし((4)-2の4.6gで
   内臓脂肪面積の群間有意差あり)。

・(2)(5g摂取)はCTによる解析がないとして再解析せず。


■サンプルサイズ:

・廣塚2018は、中性脂肪に関して150-199mg/dLで層別解析を
  行うと、2.3g摂取群5名、1.15g摂取群4名、コントロール群
  4名となり、Nが小さくて群間有意差が出ない。
  そこでG*Powerを用いて補正する。
  つまり、「試験食品とコントロール群の変化量と
  標準偏差をもとに、αエラーを0.05、検出力(1-β)を
  0.8と設定し算出した結果、N36名/群となり(検出力0.806)、
  一般的な食品で執り行われるヒト試験の規模により
  群間比較での有意差が認められる十分効果が期待できる
  ものと考えられる」。

・要は、N36, 検出力0.806という条件で行われていれば
  p=0.05だったので有効性ありと考えてよい、としている
 (体脂肪についても(6)につき同様のロジックで説明
  している)。



いかがでしたか?


ご意見・ご質問は、info@yakujihou.com (大澤)まで
お寄せ下さい。



またメールしますね。

こんにちは。

YDCのミッシーです。


届出番号E番台が開始されたのは、5月30日のことでした。


それから半月ほどで、あっという間に受理件数が50件を
超えてしまいました。


非常にハイペースで、今年度は何件の受理事例が
現れるのでしょうか。



さて、

今回の機能性表示最新情報は、そんなハイペースの
受理の中から2つの事例をご紹介します。


E58 ダイエタリーF(エフ)乳酸菌5000億個 

「本品には乳酸菌エンテロコッカス・フェカリス菌
 (EC-BabyM)と難消化性デキストリン(食物繊維)が
  含まれ、腸内環境と便通を改善します。」


届出者はエム・フーズさん。


RCTによる届出で、試験機関はYDCのリエゾンである
JACTAが実施、YDC直接サポート事例です。


機能性関与成分の一つ「乳酸菌エンテロコッカス・
フェカリス菌(EC-BabyM)」は、初出の成分で、
EC-BabyMはエム・フーズさんが保有する乳酸菌の菌株です。


本件の特徴は、「乳酸菌エンテロコッカス・フェカリス菌
(EC-BabyM)」が死菌であるということです。


死菌にまつわる問題については、これまでにも林田先生が
セミナーで紹介されていました。


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ご興味ある方は、下記URLよりWEB視聴をお申し込みください。
WEBセミナー (4月5日開催分)

「機能性表示最新情報!
  - 水面下の最新情報をお伝えします -」

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死菌を機能性関与成分として届出する上で基本となるのは、
次のような考え方になると思われます。


(1)菌の代謝物等が製造工程で取り除かれていること。


(2)エビデンスも(1)の仕組みに基づいて作られて
     いること。


E58は本品を用いたRCTですから、(2)は自動的に
クリアになります。


(1)については、作用機序において、製造工程の資料
(非公開)を交えながら、代謝物の排除を説明することで、
受理にたどり着きました。


次に、

E60 アミノエールゼリータイプ ロイシン40

「本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※が含まれます。
  ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、足の曲げ伸ばし
  などの筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、
  加齢によって衰える筋肉の合成をサポートすることにより、
  歩行機能の向上に役立つことが報告されています。
  ※ロイシン40%配合必須アミノ酸には、ロイシン、
  リジン(塩酸塩として)、バリン、イソロイシン、スレオニン、
  フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン(塩酸塩として)、
  トリプトファンが含まれます。」


届出者は味の素さん。


昨年末に発生した「歩行機能の改善」問題の時に
取り下げられたB513のニューバージョンというところ
でしょうか。


SRについては、作り直しているようですが、採用文献は
同じ2報です。


パッケージのデザインなどもぱっと見では、ほとんど
同じですね。


以前、味の素さんでは機能性関与成分を
「ロイシン40%配合必須アミノ酸」としていました。


しかし、E60からはロイシン40%配合必須アミノ酸の内訳を
記載するという、C400のファンケルさんと同じ形式に
変更したようですね。


成分名をはっきりさせるように、指摘があったのかも
しれません。


さて、

この件で一番注目したいのは、「歩行機能の向上に役立つ」
という表現です。


実はつい先日、E16でも同じ表現があり、問題となった
「歩行機能の改善」と近い表現なのによく受理された
ものだと、林田先生もメルマガ(機能性表示特別情報)で
仰られていました。


二度偶然で通ることはないでしょうから、ここまでは
消費者庁の許容できる表現ということになるのでしょう。


今度はそれが変わらないことを願うばかりです。


ではまたメールしますね。

1.水面下情報

(1)このメルマガの第1号で、消費者庁における
      BMI25-30の取り扱いのことを書きました。

      つまり、以前は、プラス内臓脂肪100センチ未満で
      健常者扱いでしたが、最近は内臓脂肪面積が
      どうであれ、BMI25-30は健常者と扱っています。


(2)この情報を知っているのと知らないのとでは、
      届出準備の大変さに雲泥の差があります。

      そのことを描き出している事例があります。

      E14がそれです。


1.まず、私どものデータブック (>>> 
   に掲載している情報をご覧下さい。


   A.商品名:「ラクトスマート」 

   B.届出者:アサヒ飲料株式会社

   C.関与成分:乳酸菌CP1563株由来の
     10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)

   D.届出表示:本品には独自の乳酸菌CP1563株由来の
     10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)が
     含まれます。
 
     乳酸菌CP1563株由来の10-ヒドロキシオクタデカン酸
    (10-HOA)には、体脂肪を減らす機能があることが
     報告されており、BMIが高めの方に適しています。

   E.コメント:
   ・関与成分量は1.44mg/日。SRは第三者。

     文献は1報(Fujiwaraら 2018)。

     論文は自社作成で実質RCT。


   ・BMI23-30の男女200人対象、乳酸菌CP1563株菌体粉末
     200mgを18週間摂取。

     アウトカムは総脂肪面積と内臓脂肪面積。

     Fujiwaraらは内臓脂肪面積100平方cm未満(56人)[A]と、
     メタボ・肥満症以外(32人)[B]の2種の層別解析実施。


2.[B]の基準はよくわからないところがありますが、
   現在の消費者庁の運用基準に従えば、そもそも
   層別解析は不要な事例でした。
     


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2.注目すべき受理事例

  (1)E20 

   *エキスへの甘い誘い

   A.商品名:桃屋のいつもいきいき

   B.届出者:株式会社桃屋 

   C.関与成分:熟成にんにくエキス
    (指標成分:S-アリルシステイン、アルギニン)

   D.届出表示:本品には熟成にんにくエキスが
   含まれますので、睡眠の質を向上する機能があります。

     また、日常生活で生じる疲労感を軽減する機能が
     あります。

   E.コメント:
   ・関与成分は熟成にんにくエキスで、指標成分は
  (S-アリルシステインとして)1.4mg、
  (アルギニンとして)1.4mg。

     エキスとして初出。

   1エキスで2ヘルスクレーム、RCT2件。


   ・RCTで評価したエキスと安全性試験(社内試験)で
     評価したエキス、本品との同等性については、
     クロマトパタンおよび指標成分である
    「S-アリルシステイン」と「アルギニン」の含有比率、 
     含有量から確認( >>> https://bit.ly/2wM9Hce )。
     
     なお、本品は液剤のため、崩壊性試験、 溶出試験による
     同等性の確認は行っていない。


■試験(1)(長田ら2019)

・対象は女子大の学生と職員、桃屋の社員。


・12週摂取後にOSA-MA(総スコア、入眠と睡眠時間、疲労感)、
  VAS(睡眠、疲労感)で群間有意差が認められたことから、
  睡眠の質向上と疲労感軽減を導く。

  血清中のSOD活性とGPx、尿中イソプラスタンの測定も
  しているが届出では言及していない。


■試験(2)(長田ら2017)

・対象は女子大の学生と職員、桃屋の社員。

・4週摂取後にVAS(疲労感)で群間有意差が認められた
  ことから、疲労感軽減を導く。

  クレペリンテストを負荷した単回摂取の試験やPOMSも
  実施したが届出では言及していない。



■私見
・液剤ゆえ溶出試験関係なし。
 
  RCTゆえ同等性のクリアー容易。

  ということでエキスの事例としては認めやすい事例


・そのことゆえか、RCTの評価は甘々で、消費者庁として
  エキス事例を早くローンチさせたかったという意欲を
  感じる。


 (2)E16

  「グルコサミン+(プラス)コンドロイチン」
 (株式会社世田谷自然食品)

  私はこの受理を見て3度「マジか?」と驚きました。

 (1)一つの試験に対し何の連続性もなく二回論文を
      書いておられる。

 (2)沢山NGを出して来た「グルコサミン」を関与成分
      として認めている。

 (3)1社を除き撤回した「歩行能力の改善」に近い
      「歩行能力の向上を助ける」という表示を
      認めている。


詳しいことはレポートで。


ご希望の方は、「機能性6/11レポート希望」と題して

下記要領でメールでお申し込みください。


1)メールの送り先:info@yakujihou.com

2)メールに記載して頂くこと

・御社の機能性表示に対する取り組み
・会社名
・ご担当者名
・メールアドレス
・電話番号

を明記の上、

info@yakujihou.comまでお申込みください。



いかがでしたか?


ご意見・ご質問は、info@yakujihou.com (大澤)まで
お寄せ下さい。



またメールしますね。

こんにちは。

YDCのミッシーです。


先週、エキスの事例が出てくるのはいつになるのだろう?
という話をしましたが、なんと、今週早々と第一号が
登場してしまいました。


それが次の事例です。


E20 桃屋のいつもいきいき

「本品には熟成にんにくエキスが含まれますので、
 睡眠の質を向上する機能があります。
 また、日常生活で生じる疲労感を軽減する機能が
 あります。」


届出者は桃谷さん。


届出日は4月11日となっていますから、事前にエキス
届出の準備を済ませ、解禁を待っていたというところ
でしょうか。


それにしても、1回で受理されるというのは凄いですね。



さて、

エキスの届出における一つのポイントは、同等性について
どう証明するか、ということになると思います。


それを論じるのは「別紙様式(3)-4 安全性及び機能性の
評価におけるエキス等の同等性の評価」ですが、
この様式はフリー記述形式。


空白の様式書類を前に悩む方も多いのではないでしょうか。


そこで今回はE20の事例をもとに、別紙様式(3)-4に
フォーカスを当てていきたいと思います。


この様式で求められていることは、安全性や機能性の
エビデンスとした論文等と、本品の同等性に問題がない
ことを示すことです。


そのためにE20では、それぞれで使用されたエキス、
商品のパターン分析を提示し、同等性に問題がない
ことを説明しています。


安全性、機能性、それぞれ見てい行きましょう。


まずE20の安全性の評価については、喫食実績なし。


既存情報では、安全性試験の文献1報を検索していますが
これは不十分(vitro、vivoはOKだが、ヒト試験が足りない)
として、追加の安全性試験(ヒト試験)を実施、

というように「既存情報のvivo、vitro」プラス 
「ヒト試験の実施」で安全性の確認をしています。


そこで、エキスにおいて既存情報の安全性評価を用いる
場合について、ガイドラインには次のようにあります。


「エキス等について安全性の科学的根拠を評価する際には、
 届出をしようとする食品と安全性に関する科学的根拠を
 得た際に用いられた食品について、エキス等の規格の評価、
 パターン分析等によるエキス等の同等性の評価を行う
 必要がある。」


つまり、すくなくとも「既存情報のvivo、vitro」の部分に
ついては、同等性を示す必要があるということです。


追加の「ヒト試験」については、本品であればパターン
分析まではいらないように思いますが、

ここでは「ヒト試験」で使われたものが、後述する
「試作品」であることから、パターン分析を用いて同等性の
説明を行っているようです。


既存情報で検索した1報は、実際には、自社が過去に行った
試験のようですから、

パターン分析などの資料を入手可能ですが、そうでない場合は、
既存情報で同等性の評価を行うことはかなり難しいと
言えそうです。


ところで、先述したガイドラインの引用には、次のような
続きがあります。


「また、届出しようとする食品が、錠剤、カプセル形状の
 食品の場合には、崩壊性試験及び溶出試験による最終製品
 としての同等性の評価を行い、届出資料中(別紙様式
 (3)-4)で分析結果を示す必要がある。」


E20は液剤であるためこの点には触れられていません。


しかし、届出をする食品の剤型によっては、上記の資料も
必要となります。


次は、機能性のエビデンスである論文と本品の同等性に
ついてです。


E20では、試験に使われた食品は、ロットサイズが異なる
(試作品)だったとして、本品との同等性を示すために、
パターン分析を示しています。


これは全く正しい方法だとは思いますが、その一方で
従来のRCT型届出における試作品の扱いでは、
パターン分析の提示までは必要とされず、

同等性について考察するのみで受理されていました。


エキスにおいては、RCTであってもパターン分析必須で
あるかどうかについては、まだ事例が一つだけである
ためにはっきりしません。


ただ、エキスではとかく同等性が問題とされること、
最初の事例であるE20が今後の規範になっていく
可能性を考えると、

資料を確保しておいた方が安心と言えます。


なお、SRの場合は間違いなく同等性を示す資料が
必要となります。


自社試験以外の論文を採用文献としている場合は、
パターン分析などを手に入れるのは難しく、
RCT以上にハードルが高くなりそうです。



ではまたメールしますね。

1.水面下情報

 (1)届出表示における機能性表現と作用機序表現の
      取扱いの運用上の差についてはこれまでもこの
      メルマガで言及してきました。

      つまり、両者ともヒト試験のエビデンスが必要な
      事は同じ。

      しかし、前者は群間有意差や査読雑誌への掲載が
      求められるが、後者はそうではない。

(2)この水面下の運用が先週の受理事例で表に出て
      来ました。E1がそれです。

  1.まず、私どものデータブック

    
   に掲載している情報をご覧下さい。

   A.商品名:MANGOSTIA(マンゴスティア)
    
   B.届出者:日本新薬株式会社

  C.関与成分:ロダンテノンB

  D.届出表示:
   本品にはロダンテノンBを含みます。
   ロダンテノンBは、糖化ストレスを軽減すること
   により肌の潤いを保持する機能があります。

  E.コメント:
   ・関与成分は160μg/日。初出成分。
    
   ・RCT。ダブルブラインドパラレル。12w。
        被験者はN20×2(解析対象はN19×2)。
        アウトカムは糖化ストレスと肌の水分値。
        糖化ストレスはAGEs(最終糖化物)と
        血中ペントシジン濃度の相関関係から
        ペントシジンで評価。
        肌の水分値はコルネオメーターで評価。 

    ・肌水分値は8w、12wにおいて、群間有意差あり。
     他方、ペントシジンは8wにおいてactiveでは
        群内有意差ありplaceboではなしだが、群間有意差は
        得られていない。そこで届出表示においては
        糖化ストレスに関しては「糖化ストレスにより」と
        作用機序と位置付けている。

   2.以上より、届出表示における「糖化ストレスを軽減」と
     「肌の潤いを保持」の使い分けがご理解できると思います。     


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2.注目の受理事例

(1)D689

 *チャレンジングな層別解析

 A.商品名:ファイバイタル 肉野菜みそスープ

 B.届出者:エースコック株式会社

 C.関与成分:イソマルトデキストリン(食物繊維)、             

 D.届出表示:
    本品にはイソマルトデキストリン(食物繊維)が
     含まれます。イソマルトデキストリンは血糖値が
   上がりやすい方の食後の血糖値や、食後の
   血中中性脂肪が高めの方の食後の血中中性脂肪の
     情報をおだやかにする機能が報告されており、
   食後の血糖値の上昇や血中中性脂肪の高さが気に
   なる方に適しています。

 
 E.コメント:
     
  ■関与成分量は2.13g/日。
  ■食後血糖値
  ・SRは林原社。採用文献は2報
     ((1)Sadakiyoら2017、(2)Isidaら2017)。
   
  ・D125、D256と同じ立て付け。届出表示において
      D125にはあり、D256にはなかった「血糖値が上
      がりやすい方」が復活。この対象の層別解析で結果を
      導いているので、この文言を届出表示に入れるのは
      当然と思われる。

   ・文献(1)から2試験((1)-1,(1)-2)を採用し、(1)-1は
      イソマルトデキストリン8.08g+マルトデキストリンを
      46.8gを、(1)-2はイソマルトデキストリン8.08g+
      ショ糖100gを単回摂取。
      文献(2)はイソマルトデキストリン2.13g+グルコース50g
      を単回摂取。(1)-1では血糖値(変化量)70mg/dL以上、
   (1)-2では血糖値(変化量)75mg/dL以上、(1)では
   Cmax(変化量)上位1/2以上(いずれもプラセボ摂取時、
   食後何分後かは不明)の層別解析で有意差があることから、
   “食後血糖値が上がりやすい方”を導く。

    ・上記のように、3試験で層別解析の基準が異なっており、
      チャレンジングな層別解析。

  ■食後中性脂肪
   ・SRは林原社+オクトエル社。
      採用文献は1報(Takagaki2018)。

  ・採用研究:被験者は空腹時TG 81.2±26.7 mg/dLの健常者40名。 
    プラセボ摂取時のCmaxが200mg/dL以上となる被験者14名を
      括り出し、食後4H後のTGに関し群間有意差を導く。

  ・こちらの層別解析もチャレンジング。


 
(2)E5

  *限りなくアトピーに近いムズムズ感

 A.商品名:アカポリ肌ケア

 B.届出者:株式会社アカシアの樹
      (旧社名:株式会社mimozax)

 C.関与成分:アカシア樹皮由来プロアントシアニジン

 D.届出表示:
    本品には、アカシア樹皮由来プロアントシアニジンが
  含まれるので、肌(顔)の乾燥による不快感(ムズムズ感)
  がある成人において、肌(顔)の乾燥を緩和して肌(顔)
  の潤いを守るのを助け、肌(顔)の保湿力(バリア機能)
  を守る機能があり、不快感を改善する機能があります。
  肌(顔)の乾燥が気になる方、肌(顔)の乾燥による
  不快感(ムズムズ感)がある方に適した食品です。

 
 E.コメント:
   
  ■関与成分量は245mg/日。
      C151.D219に続くアカポリシリーズ第3弾。
   C151.D219は食後血糖値で関与成分量は163mg/日だった。

  ■RCT。ダブルブラインドパラレル。8w。N66。
      客観評価で群間有意差が得られたのは8wの蒸散量値のみ(TEWL)。

      主観評価として、
   (A)Skindex-16 score、
      (B)DLQI(Dermatology Life Quality Index)、 
   (C)VAS(desire to scratch=かゆみ感)を採用。

   (A)は結果出ず。 
   (B)で群間有意差が見られたのは、symptom/feelingの
    総括的評価(4w)。
    かゆみ・ひりひり・痛み・チクチク感
       (itchy, sore, painful, stinging。4w)
    回復感(treatment。4w)。
     (C)も4wで群間有意差あり。
    被験者は肌にむずむず感のある人を集め、
        TARC<450pg/mL IgE <170 IU/mLを採用。

  ■以上からすると、
      (1)届出表示中の「肌(顔)の乾燥による不快感
       (ムズムズ感)がある成人において」は被験者募集基準から
        導き、
   (2)「肌(顔)の乾燥を緩和して肌(顔)の潤いを
        守るのを助け、肌(顔)の保湿力(バリア機能)を守る
        機能があり」は蒸散量から導き、
   (3)「(乾燥による)不快感を改善する」は上記の(B)(C)から
        導いていることになる。

  ■これまでこの手の届出表示はアトピーの暗示等の理由で
      厳しく判断されて来たが、その割には、本件はその点の
      説明はV-2にはなく、様式Iの評価の欄に「血液検査に
    おいてアトピー性皮膚炎ではなくアレルギー体質でも
      ないヒトを対象とした」との記述があるだけで、
      緩和された感がある。




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