健康食品機能性表示の届出支援・広告サポート|林田学

認知度も高まりだんだん社会に普及しつつある機能性表示制度ですが、
その受理・差戻しは書かれざるルール=運用で決められる部分が多く受理を確実にするには情報が不可欠です。
私どもは、日本最大級の届出関与実績から得られる差戻し例と独自の行政ネットワークから得られる情報を元に、
みな様が間違った方向に進んで時間と費用を無駄にすることがないようにしたいと考えています。

こちらのブログは下記URLへ引っ越しました。
https://www.yakujihou.com/kinousei/mailmagazine-backnumber/
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カテゴリ:課徴金制度について > 機能性表示水面下情報

Q.事後チェック指針の運用が始まっているよう
  ですが、食品表示企画課と表示対策課の
  関係はどうなるのですか?

  販売後のエビデンスや広告はどちらがチェック
  するのですか?


A.1.まず、対象について言うと食品表示企画課が
   「表示」(狭義。パッケージと同じ意味)、
   
   表示対策課が「表示」(狭義)と「広告」
   (両者を合わせて「表示」(広義)とも
   言います。「表示対策課」のネーミングは
   そこから来ています。)について権限を
     持ちます。


  2.所轄する法律は食品表示企画課が食品表示法、
   表示対策課が景表法です。


  3.時系列で言うと、食品表示企画課は、受理後
   販売前と販売後について権限を持ち、
   表示対策課は販売後について権限を持ちます。


   4.ご質問は「販売後」ですから、時系列的には
   食品表示企画課も表示対策課も権限を
   持ちます。

     対象について言うと、「エビデンス」は
   パッケージに書かれている届出表示が
   適切かという観点から問題になります。

   これは狭義の「表示」の問題です。

   ということは、「販売後」の「表示」です
   から、食品表示企画課も表示対策課も
   権限を持ちます。

   実際上は食品表示企画課が優先的に取り組む
   でしょう。

   他方、「広告」は表示対策課のみが権限を
   持ちます。


  5.表にまとめるとこうなります(>>>
   https://www.yakujihou.com/merumaga/20201208k.pdf )。
  

1.届出番号 E807(モリンガ元気タブレット、
 (株)タイヨーラボ)

 ※届出表示
 「本品にはモリンガ種子由来グルコモリンギン
  が含まれるので、日常生活で疲れを感じ
  やすい方の身体的な疲労感を軽減し、腰の
  負担を感じやすい方の腰の不快感を和らげる
  機能があります。」(>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/2020120011.pdf )。

 タイヨーラボ社のモリンガ元気タブレット。
 
 「腰の不快感」を訴求して受理されています。

 エビデンスは以下の通りでギリギリという感じ
 です。

 日頃の疲労感が高めの健常者男女40人が対象。

 ダブルブラインドパラレル。4W。

 評価項目は、(1)Fatigue、(2)Stiff shoulder、
  (3)Law back pain、(4)Exe strain。

  評価方法は、(あ)VAS,(い)ChalderScale,
  (う)POMS2。

  群間有意差を導けたのは(1)(3)と(あ)の組み
  合わせ。

  つまり、疲労感に関して、疲労感の事前
  アンケートが中央値以上の人と中央値未満の
  人を分けた層別解析により、4Wで群間有意差。

  また、腰の不快感に関するアンケートでは、
  2Wで群間有意差が見られ、腰の不快感の
  事前アンケートが中央値以上の人の
  層別解析ではさらに3W,4Wで群間有意差。


2.腰の不快感」を初めて受理させたのは、
 ファンケル社の腰ラックスです。

 届出番号 A238(腰ラックス、(株)ファンケル)

 届出表示
 「本品にはテアニン・ピペリン・クレアチン・
  プロテオグリカンが含まれるので、日常
  生活(立ち上がる、かがむ、起き上がる等)
  で生じる腰の不快感を軽減する機能があり
  ます。」(>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/2020120012.pdf )。

 E807はA238のような「日常生活で生じる」
 という限定がなく、フィールドを少し広げた
 感があります。

1.排尿関係で唯一受注されているのが、
 F18(マルカイコーポレーション(株))です。

 F18:クランベリー100

 ※届出表示

 「本品にはキナ酸が含まれます。キナ酸は、
  トイレが近いと感じている女性の日常生活に
  おける排尿に行くわずらわしさをやわらげる
  機能があると報告されています。」
   (>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/20201124.pdf )


2..エビデンスは次の2つです。

 エビデンス(1)
  排尿回数・・・昼間 ⇒ 有意差
        夜間 ⇒ 有意傾向
        1日  ⇒ 有意差

 エビデンス(2)
  ピッバーグ睡眠質問表 ⇒ 日中の眠気など
                            による日常生活
                            への支障を有意
                            に減少


3.本来であれば、「(あ)夜間の排尿を減少
  させることにより、(い)日中の眠気などに
  よる日常生活への支障を減少させた」と表示
  したかったものと思われます。


4.しかし、夜間頻尿の拒絶(OTCが存在し 
  その領域侵害となる)とエビデンスも有意
  傾向であったことから(あ)を諦らめ、
  (い)から「日中の眠気」を削って頻尿と
  日常生活の支障でまとめたものと思われます。


5.「夜間頻尿」はアンタッチャブルのようです。

1.「顔のむくみ感」はF174が切り開いたヘルス
 クレームです(サッポロウェルネスラボ(株))。

 ※届出表示

 「本品(レモンでキュッ!)には、レモン由来
  モノグルコシルヘスペリジンが含まれており、
  一時的に自覚する顔のむくみ感や、脚
  (ふくらはぎ)のむくみを軽減する機能が
  あります。」
   (>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/202011171.pdf


2.それまで、「脚のむくみ」についてはC223が
 ありました((株)リフレ)。

 ※届出表示

 「本品には赤ブドウ葉由来ポリフェノールが
  含まれるので、夕方の脚のむくみを軽減
  します。ただし、一晩寝て朝になっても
  むくみが回復しない(一過性でない)、
  脚以外の部位がむくむ、その他体に異常が
  ある場合は、医師の診察をお勧めします。」
   (>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/202011172.pdf

 しかし、「顔のむくみ感」は全く初めて。

 脚に関しても「ふくらはぎ」を付けたり、
 「夕方」を外したりしたのはF174が初めて
 です。

 なお、リフレと同じタイプにはその後、
 F382(丸善製薬(株))が登場しています。
  (>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/202011173.pdf


3.F174はRCTでVASで評価しています。

 その点については、様式 V-2 でこう説明
  しています。

  顔のむくみ感の評価指標について

 以下に、顔のむくみ感をVAS法にて自覚
  症状として評価した研究論文を報告する。

 1) Naoki Morimoto, et al.Evidence-
     BasedComplementary and Alternative
     Medicine 2018.※VAS法を用いて、
     柴苓湯(漢方薬)摂取によるむくみ感や、
     痛みなどの自覚症状の評価を行っている。
   
  2) Amanider Singh, et al. Int J Dent
     Med Res 2014;1
     (3):46-50.※VAS?法を用いて、親不知外科
     手術後の痛みやむくみ感の経過観察の
     自覚症状の評価を行っている 。
          
  3) Kiran Khande, et al.J.Maxillofac.Oral
     Surg 2011;10
     (2):112-117.※VAS法を用いて、親不知
     外科手術後の痛みやむくみ感の経過観察の
     自覚症状の評価を行っている。なお、
     これらの論文は病人を対象として実施して
     いるが、当該研究において、被験者は
     健常者を対象に実施している。

     以上のことから、顔のむくみ感をVAS法
     にて評価することは、日本人において
     妥当性が得られ、学術的に広く
     コンセンサスが得られていると考える。


4.しかし、過去に研究論文があるというだけでは
 "日本人において妥当性が得られ、学術的に広く
  コンセンサスが得られていると考える"という
 には不十分ではないかと思います。 

今日はキリンさんが免疫表示でエビデンスとした
SRの中の1報に関するQ&Aです。


Q.キリン社が免疫のSRに採用した、鈴木ら2015
  について教えて下さい(>>>
  https://www.yakujihou.com/merumaga/20201110k2.pdf )。


   (あ)被験者は末梢血中pDC活性の値が相対的に
    下位であった者100名を選んでいますが、
       これで健常者を選択したことになる
       のでしょうか?


  (い)末梢血中pDC活性マーカーとしてCD86と
    HLA-DRをアウトカムして測定しています。

    図2を見ると、CD86については群間有意差
    ありと言えそうですが、HLA-DRについて
       はアクティブとプラセボと入り組んで
       いますが、これで「pDCを活性化し」と
    言えるのでしょうか?


  (う)体調アンケート結果が表3に示されて
    いますが、7項目中アクティブが
    プラセボに比べ有意なのは3項目(鼻汁、
    関節痛、寒気)だけですが、これで
    「免疫機能を維持」と言えるのでしょうか?


A.1.(あ)について
 
  たしかに微妙です。

  100名の中の最下位あたりには病者と評価
  されてもおかしくない人が含まれていた
  かもしれません。

  SRなのでうまくカバーできたのかもしれ
  ません。


   2.(い)について
 
  「pDCを活性化し 」は作用機序です。

  作用機序を届出表示に入れるときはヒト試験
  のエビデンスが必要ですが、群間有意差が
  要求されるわけではありませんので、ここは
  問題ないと思います。


  3.(う)について

  これだけで「免疫機能を維持」と言えるかは
  たしかに疑問です。

  この点もSRなのでうまくカバーできたのかも
  しれません。

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